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あまちゃんを終えて 小泉今日の寄稿 [芸能]

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希望の光へ さぁ私たちも!

あまロス症候群なんて言葉が生まれてしまうほど「あまちゃん」の放送が終了して
心にぽかんと穴が空いてしまった人達がいるらしい。
あのドラマに関わった人間にとってなんて嬉しい言葉だろうと思う。

「あまちゃん」は挑戦だった。
コアな人気は凄いけれど、なぜか視聴率には恵まれない(ごめんなさい!でも私はずっとファンです)

宮藤官九郎さんの脚本でNHKの朝ドラを!
しかも東北を舞台に震災前からその後までの時間を描く。
ヒロイン能年玲奈ちゃんは久しぶりに完全オーディションで選ばれたほぼ無名の女の子。
母親から「ブス!」と罵られる猫背のヒロインなんて前代未聞である。

怒ってばかりのスケバンみたいな母親だって前代未聞。
朝ドラを見るのを毎朝楽しみにしているお年寄りに嫌われるのを覚悟の上で
私はそのスケバン母役を引き受けた。

ところが放送が始まると意外や意外。
視聴率は好調だし、猫背のヒロインの透明感とつぶらな瞳は
全国の皆さんの心をたちまち掴んでしまったし、スケバン母もどうにか受け入れられたようである。

伝説の海女を演じた宮本信子さんや大女優役の薬師丸ひろ子さんが物語をグッと引き締め
映画界、演劇界の怪物たちが暴れまくってドラマの楽しさを盛り上げた。

とはいえ、私達役者はあくまでも台本通りに演じただけである。
一番の功労者はやはり脚本家なのだ。

宮藤さんの脚本には愛と尊敬の念があると思う。
一人一人の役者さんに与える台詞は他の誰が言ってもきっと面白くならない。
その人にしか絶対に言えない言葉だ。

だから割り当てられた台詞を役者が発した時、いるいる、そういう人!
と愛すべきキャラクターが出来上がってしまう。
面白おかしく小ネタを挟んで茶化しているようだけど実はテレビの力というものをちゃんと信じて愛して敬っている。

役者もプロデューサーもディレクターもみんな、そんな宮藤さんの脚本を信じて最大限の力を出し合えた。
だから「あまちゃん」は視聴者の皆さんにも愛されたのかもしれない。

「あまちゃん」は海女ちゃんだけど、甘ちゃんでもある。
ヒロインのアキは「海女になりてぇ」「東京さ行ってアイドルになりてぇ」と夢をころころ変えては
大人達を振り回す。

そんな時にあの震災が起こる。
誰の胸にもまだあの痛みは残っている。
出来上がった台本を読んで私は泣いてしまった。
誰も死なせないというのが宮藤さんの選択だった。

夢の箱の中にいる私達に出来ることは希望を与えることなのだと強い気持ちが湧き上がった。
ヒロインは地元に帰り、一番好きな場所で自分らしく生きると決めた。

若者達が夢を持ちにくい時代なのだと何かで読んだ。
ひとりの大人として申し訳なく思う。
だから最終回で、アキとユイちゃんがトンネルの向こうに見える光に向かって走り出した時
やっぱり私は泣いてしまった。

夢なんかなくても、夢に破れても、何者にもなれなかったとしても、若者はのびのびと元気でいて欲しい。
それだけで私達大人にとっては希望なのだから。

明るい光を目指して走り出す二人は美しくて、たくましくて、眩しかった。



さあ、あまロス症候群のみなさん!
老いも若きも二人に負けないように明るい光を目指してまた走り出しましょう!(女優)

平成25年10月10日(木)
読売新聞より転載


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